実務実習で学ぶことが必須!薬剤師国家試験でも問われる、代表的8疾患!
こんにちは、ひよっこ薬剤師です。
実務実習で学生へ優先的に指導をすべき“代表的8疾患”についてまとめていきたいと思います。
目次
~代表的8疾患とは?~
薬学部に通う学生は、調剤薬局もしくはドラッグストア、病院で実務実習を各11週間ずつ行う必要があります。
その実習で優先的に学ぶべき疾患として、文部科学省がH27年2月に“薬学実務実習に関するガイドライン”で示している疾患が8つあります。
この8疾患について、どのような疾患が該当するか、わかりますでしょうか?
実習前の学生の方もこのブログを見てくださっているかもしれません。
そういった方からしたら、8疾患なんて初めて聞いたよ!!となっているかもしれません。
8疾患全て思い浮かぶ必要はありませんが、実務実習で学んできていることを前提に薬剤師国家試験でも出題頻度が高い疾患たちです。
そのため、国家試験を控えている方以外にも、実習にこれから行かれる学生たちも把握しておいた方が無難です。
☑️がん
☑️高血圧症
☑️糖尿病
☑️心疾患
☑️脳血管障害
☑️精神神経疾患
☑️免疫・アレルギー疾患
☑️感染症
これらの疾患を代表的8疾患として、上記のガイドラインで優先的に指導するよう提示しております。
~ 代表的8疾患の詳細 ~
ここで代表的8疾患に分類される具体例を挙げていきたいと思います。
<がん>
白血病(急性・慢性骨髄性白血病、急性・慢性リンパ性白血病、成人T細胞白血病)
悪性リンパ腫および多発性骨髄腫
骨肉腫
消化器系の悪性腫瘍(胃癌、食道癌、肝癌、大腸癌、胆嚢・胆管癌、膵癌)
肺癌
頭頸部および感覚器の悪性腫瘍(脳腫瘍、網膜芽細胞腫、喉頭癌、咽頭癌、鼻腔・副鼻腔、口腔の悪性腫瘍)
生殖器の悪性腫瘍(前立腺癌、子宮癌、卵巣癌)
腎・尿路系の悪性腫瘍(腎癌、膀胱癌)
乳癌
皮膚癌
<高血圧症>
高血圧症(本態性高血圧症、二次性高血圧症:腎性高血圧症、腎血管性高血圧症を含む)
肺高血圧症
<糖尿病>
糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他の糖尿病)とその合併症、耐糖能異常
<心疾患>
不整脈(上室性期外収縮、心室性期外収縮、心房細動、心房粗動、発作性上室心拍、WPW症候群、心室頻拍、心室細動、房室ブロック、QT延長症候群)
洞不全症候群
急性・慢性心不全
うっ血性心不全
左室不全
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
心筋症
心筋炎
心膜炎
慢性リウマチ性心疾患
心原性ショック
弁膜症
先天性心疾患
<脳血管障害>
脳内出血
硬膜下出血
くも膜下出血
脳梗塞(脳血栓症、脳塞栓症)
一過性脳虚血発作
無症候性脳梗塞
脳実質外動脈閉塞および狭窄
<精神神経疾患>
統合失調症
うつ病
躁病
双極性障害
全般性不安障害
持続性気分障害
神経症性障害
多動性障害
器質性人格障害
強迫神経症
摂食障害
知的障害
適応障害
てんかん
認知症
ナルコレプシー
薬物依存症
アルコール依存症
せん妄
幻覚症
不眠
睡眠覚醒リズム障害
<免疫・アレルギー疾患>
アトピー性皮膚炎
蕁麻疹
接触性皮膚炎
アレルギー性鼻炎
アレルギー性結膜炎
花粉症
消化管アレルギー
気管支喘息
薬物アレルギー(スティーブンス-ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬物性過敏症症候群、薬疹)
アナフィラキシーショック
尋常性乾癬
水痘症
光線過敏症
ベーチェット病
臓器特異的自己免疫疾患(バセドウ病、橋本病、悪性貧血、アジソン病、重症筋無力症、多発性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、シェーグレン症候群)
全身性自己免疫疾患(全身エリテマトーデス、強皮症、多発筋炎、皮膚筋炎、関節リウマチ)
臓器移植(腎臓、肝臓、骨髄、脾帯血、輸血)における拒絶反応および移植片宿主病
<感染症>
細菌感染症(呼吸器感染症、消化器感染症、感覚器感染症、尿路感染症、性感染症、脳炎、髄膜炎、皮膚細菌感染症、感染性心膜炎、胸膜炎、耐性菌による院内感染、全身性細菌感染症:ジフテリア、劇症型A群β溶血性連鎖球菌感染症、新生児B群連鎖球菌感染症、破傷風、敗血症)
ウイルス感染症およびプリオン病(ヘルペスウイルス感染症、サイトメガロウイルス感染症、インフルエンザ、ウイルス性肝炎、HIV感染症および後天性免疫不全症候群、伝染性紅斑(リンゴ病)、手足口病、伝染性単核球症、突発性発疹、咽頭結膜炎、ウイルス性下痢症、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、風邪症候群、クロイツフェルト-ヤコブ病)
真菌感染症(皮膚真菌症、カンジタ症、ニューモシスチス肺炎、肺アスペルギルス症、クリプトコックス症)
原虫(マラリア、トキソプラズマ症、トリコモナス症、アメーバ赤痢)
寄生虫感染症(回虫症、蟻虫症、アニサキス症)
代表的8疾患を深掘りすると、こんなにも多くの疾患たちが隠れています。
~ 代表的8疾患、国家試験出題数 ~
代表的8疾患がどれだけ国家試験に出題されているか、直近の2年分を見ていきましょう!
<第103回薬剤師国家試験>
この回での代表的8疾患の出題数は
☑️がん 17問
☑️高血圧症 5問
☑️糖尿病 7問
☑️心疾患 8問
☑️脳血管障害 1問
☑️精神神経疾患 7問
☑️免疫・アレルギー疾患 9問
☑️感染症 26問
合計 80問
問題数345問中80問が、代表的8疾患に関連しておりました。
<第104回薬剤師国家試験>
この回での代表的8疾患の出題数は
☑️がん 22問
☑️高血圧症 5問
☑️糖尿病 7問
☑️心疾患 7問
☑️脳血管障害 0問
☑️精神神経疾患 8問
☑️免疫・アレルギー疾患 19問
☑️感染症 19問
合計 87問
103回よりも、代表的8疾患に関連する問題が87問に増えておりました!
国家試験出題数からも実習期間中に上記の8疾患を学ぶことの大切さがわかります。
~ 実習中での代表的8疾患~
見てわかるようにこれだけの出題数ということは、実習でもしっかりと症例を学ぶ必要がでてきます。
ピッキング時や鑑査時に、
✏️どのような目的で処方されているか
✏️何故この薬の組み合わせなの
✏️指導時に伝える必要がある副作用は何か
自分で考えることで、実践問題の対応力が自然と身に付きます。
ですが、実習先によっては学生への対応が悪い所もあることでしょう。
調剤薬局であれば、門前の科によって全ての疾患を網羅することは難しいかもしれません。
病院実習でも8疾患を学ぶことはできますが、過去問を持ち出しそれで症例検討や服薬指導時のポイントを考えればよいのです。
ネットで過去問を公開していたり、メディセレは無料アプリを提供してくれております。
学ぶ手段はたくさんあります。
計22週間と長い月日を医療現場で過ごせるので、色々な経験を積み、学び、国家試験にも活かせるような知識を習得し、有意義な実務実習にしてください!
※メディセレの無料アプリは、こちら記事にも記載あり↓
実務実習の過ごし方はこちらにも記載あり↓